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大切なのは「経験」になる前の「体験」

子どもの成長や学びのためには「経験」が不可欠だと、よく耳にします。「経験」のためには「体験」が必要だとも。この「体験」と「経験」という言葉、同じようで少し違うらしく、自分自身が実際に行動する「体験」を積み重ねることで、知識やスキルを得たり、ものごとや自分自身について洞察を深める、つまり「経験」となるのだそうです。

今のお父さん、お母さんも子どもの頃にいろんな「体験」をし、その度に少しずつ学ぶことで、「経験」を重ねてきたのではないのでしょうか。

目次

自分の体で、知る、感じる

いちろーは、6歳くらいの頃に初めて包丁を触りました。それまでは食器を並べたり、洗い物を拭いたりするお手伝いをしていたのですが、前から包丁でいろんなものをサクサクと切っている様子や、トントンという音にも興味があったいちろー。その日はどうしても使ってみたかったんでしょう、包丁を使いたい!と母にお願いをしました。

母は、初めは面倒だったのか顔をしかめましたが、小さめの包丁を渡してくれ、包丁はどう使うのか、危ないのはどこかなどを丁寧に教えてくれました。何を切ったかはもう忘れてしまいましたが、最後に指先をちょっと切ってしまい、涙目になったことは覚えています。次の日、さっそく友達に「俺は包丁を使ったんだぜ」と自慢し、包丁を使うときの注意点をドヤ顔で話したことも(笑)。いくつもの作業を同時にこなしながら、手際よく食事の支度をしている母って、すごいなーと思えるようになったのは、それから。何ごとも、やってみないとわからない、ですよね。

「センス・オブ・ワンダー」の著者で生物学者のレイチェル・カーソンは、「知る」ことは、「感じる」ことの半分も重要ではない、と言っています。知識としてだけ知っていることを増やすより、自分の体と心で味わった、手触りのある「体験」を、たくさん積み重ねていってほしい。忙しい毎日、危ないことや手のかかることは、つい先回りしてやらせないようにしてしまうこともあるかもしれません。でも、その危なっかしさやもどかしさの中に、いろんな学びがある。子どもの「やってみたい」という気持ちが見えたときには、「やってごらん」って背中を押すことが、僕たち大人にできることなのかなあと思います。

おひさまとことこスタッフより

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