- 氏名:
河合 菜々美(かわい ななみ) - 職種:
学童指導員・プレーリーダー - 主な担当事業:
学童保育あそび―む - 入社年:
2022年 - 経歴:
新卒から公立の小学校8年
PLAYTANK『学童保育あそびーむ』1年8か月
Q1 なぜ、 教師を辞めて学童保育に転職したの?
小学校の教員を8年間続け、先生の仕事に慣れてきて、授業を教えるなど「先生と子ども」という関係で居ることが退屈になってきた、楽しくないなと感じていました。私は何をしたいのかな?と考えてみたら、子どもたちと遊びたい、先生と生徒という関わり方を変えたいと思っているのだと気づきました。
子どもたちと一緒に笑い合ったり、考えたりできる時間を過ごしたい、先生と生徒ではなくて、私とその子の個人対個人で、なるべく対等な関係になりたいと思って、「学童保育」を中心に転職活動を始めました。
他の大手の学童保育運営会社の方針もいいなと思って面接に進んでいたのですが、子どもたちが興味を持ちそうなプログラムがほぼ毎日のようにあって、私に求められる役割は全体を見みながらの安全管理。となると、勉強を教える先生からプログラムを子どもたちに提供する人になる、それは求めている仕事とは違うなと。そのうえ子どもの数は60~100人。学校のクラス40人でも全員を見ることは難しいのに、100人と個人対個人で関わるなんて…無理だーと思いました。そんな時に『あそびーむ』の採用募集を見て、毎日冒険遊び場に遊びにいく自由遊び&少人数に惹かれて、すぐに見学に行きました。
Q2 学童保育で働いてみて、どう?
望んでいたことですが、「ここまで子どもを見るのか?!」「こんなに(一人の子のことをみんなで)話すのか?!」と、転職当初は驚きました。本当に丁寧なので。
8年間小学校で子どもと一緒にいたのに、毎日「子どもをそういう風に見るのか」「この場面をその視点で考えるのか」という気づきや学びがありました。例えば、私には目につくというか、困るなぁと思う子どもの行動も、他の人はその子の個性だよね、強みだよね、と見ている。私とは子どもを見る視点が違う。それで私もその視点で見てみると…その子への印象が変わります。問題が魅力的な個性に見えてくる。自分の価値観と人の価値観が交ざって、アップデートされていくようなスキルアップです。
こんな風に子どもたちに関れるのなら、もう仕事に飽きることはないと思います。子どもは日々成長するので、見逃さないように毎日が真剣勝負です。
また、一人ひとりに丁寧に関わるというのはPLAYTANKの方針の良さで、その保育方針を実現するための運営体制の工夫にも無駄がないなと思います。そして、こんな風に運営したらもっと良くなるのでは?という提案を、現場スタッフのプレーリーダーから出して、やってみて、課題があれば改善していい団体風土にも驚きました。『あそびーむ』をつくるのは、子どもたちと保護者の方とプレーリーダーの私たちだそうです。ピリッと気が引き締まるような感じと、自分が思う通りに仕事していいの?!という開放感のような感じを、同時に感じていました。
Q3 今、仕事で何が楽しい?
ワクワクするのは、子どもたちが「いいこと思いついた!」と言ってやり出すのを見ることと、一緒にやり始める時です。私には思いつきもしなかった遊び方や想定外のおもしろいことを始めた時は、特にワクワクします。あそび―むは、子ども自身が考えて決めていい「幅」がとても広いと思います。だから転職したばかりの頃は、子どもたちの自由さに戸惑うこともありました(苦笑)。大人がどうにかしてあげなきゃと思っていたら、大人の枠を超えられると困まるので…。でも、子どもに任せていいと思えるようになった頃から、枠のない子どもの発想を、シンプルにすごい!とリスペクトするようになりました。
あと、『あそびーむ』の子はキホン、大人の言うことはきかないので(笑)、それがおもしろいです。学校では「先生の言う通りにする」ことが当たり前、大人の指示に従うのが「いいこと」という前提があるので、先生から指示された時にNOと言う場面はそう多くないですが、『あそびーむ』の子は、すぐ主張してきます(笑)。子どもたちが、自分の思ったことを大人に「言っていい」と思っているので。子どもがそう思えるのは、プレーリーダーと子どもの関係が、対等だけれど頼りになる大人という「斜めの関係」だからということもありますが、『あそびーむ』には子どもの声が通る「隙間」があるからというのも大きいと思います。
学校の日課には、子どもが何かを主張できる「隙間」が少なすぎます。授業の時間の終わりは絶対です。学童保育も一日中自由でありません。おやつの時間、宿題の時間、帰る時間、長期休暇中は、掃除、買い出し、お昼作りなどの生活時間もあります。でも、子どもたちの声からスケジュールをアレンジできる「隙間」もあります。例えば、「この遊びがこうなったら終わりだから、おやつは宿題時間の前に食べることにするよ」と交渉したら、満足する結果を出してから遊びを終えることができますよね。こういう交渉は、「状況の先を読む力」や「障害を乗り越えてやり切る力」を発揮した子どもの行動です。
「隙間」は、子どもの考える機会を増やします。その場を最適な方法で切り抜ける機会を増やします。私が、プログラムのない自由な学童保育に惹かれていたのは、こういう「隙間」が子どもたちの日常にもっとあればいいのに…と無意識に感じていたからかもしれません。
あそび―むでは、イベントや行事も、子どもの「やりたい!」声からが始まるので、自分のやりたいことに、どうやってみんなを巻き込もうか?と考えるところからの企画を、子どもが考えます。子どもたちに任せてみると、いつも静かに話すあの子が、こんなに声を張り上げて呼びかけるんだとか、いつもお調子者のあの子が、いろんな人の気持ちに配慮したオペレーションを考えるんだなと、秘めた力の開花に驚くこともあります。活き活きと企画に取り組む子どもたちの様子を見ていると、運動会をやります、この種目はこんな風にやります、さあ、練習しましょう!という学校でやってきたことに…乗り気になれない子がいたのも、当たり前だよなと思うようになりました。スタートから違うんですよね(苦笑)。
仕事で楽しいことはたくさんありますが、一番は、子どもと家族じゃないけれど家族のように、かなり知った仲になれることです。これは、楽しいを超えた、嬉しい!ことです。
Q4 これからやりたいことは?
保護者の方をもっと巻き込みたいです。教師の頃の保護者の方とのお付き合いは、今思うと「保護者対応」でした(苦笑)。いろんな方がいるから、どう話そう?と考えることも多くて。『あそびーむ』の保護者の方とは、相談しながら一緒に子どもの成長を喜んでいると感じています。そもそもの距離感や関係性が違います。私は、保護者の方を頼りにしています。そして、保護者の方から頼られると嬉しいです。
去年から始めた「保育参加日」は、保護者の方に『あそびーむ』で1日過してもらう企画です。「子どもたち、すごく遊ぶね!今日は本当に楽しい。」「わが子から名前を聞いていた子と親しくなれました。」等の声もある好評な企画です。そのうちに、「今日は時間があったから遊びにきたよ!」という保護者が毎日居るくらい、気軽な関係になれたらいいなと思っています。
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