最近、よくあそびに来るようになった小3男子。その土曜日も朝からやってきた。
「おはよう! 今日は俺、ここでお昼食べるんだ~。弁当持ってきたんだ!」
「お、いいね~!」
「今日は一日あそんで帰るぞー!」
午前中彼はず~っと木工作をして過ごしていた。
お昼になり、僕がご飯を食べていると、彼が隣に来て、「一緒に食べよう」と言う。
彼「今日はね~、7時くらいまで家に誰もいないんだー。おばあちゃんちが近いから、今日はそっちに帰るんだ。」
僕「あれ、どうしたの? みんなお出かけ?」
彼「お父さんとお母さんと妹は、千葉の遊園地に行った!」
僕「えー!!! 一緒に行かなかったの?」
彼「んー、この前までは行こうと思ってたんだけどさ…こっちのほうが楽しいから、俺だけこっちに来た 」
さらっと言う彼。
僕「まじか!」
彼「うん、だってここは、いつでも自分の好きなことできるし、並ばなくていいし、作りたいものもあるしさ」
僕「お、おう…」
僕は言葉に詰まる。その後は学校の話や最近はまっているらしい木工の話をして、お昼ごはん終了。午後も、彼は泥だんごを作ったり、鬼ごっこをしたりして、めいっぱいあそびきって、「まったねー! 明日も来るわー」と笑顔で帰っていった。
翌日、彼と一緒にお母さんがやってきた。
「実は昨日、あの子がどうしてもここに来るって言い張って、もう何を言っても聞かないと思ったので、好きにさせちゃいました。あの子にとっては、今はここでのあそびが一番楽しいんですよねー。そんな場所があるって幸せな子ですよね」
この子は幸せな子、と言ってもらえてうれしかった。
僕は、子どもはあそびの中から色々学んでいるけれど、何より「楽しい」というのは生きる糧になると思っている。もっと子どもが夢中になれる、「楽しい」がたくさんあるあそび場を作っていくぞーと気合が入ったのでした。
※プレーパーク新聞vol.74(2018年10月発行)に掲載のコラムを、編集のうえ転載しています。